○2008年9月17日 
株式会社@ソリューション 
代表取締役 増田勝人様 インタビュー  

−御社のビジネスはIT関連のシステム構築がメインだと聞きました。学生には触れる機会の少ない事柄だと思いますので、具体的な例を挙げて説明していただけますでしょうか。

簡単に言ってしまうと、コンピュータを通した道具を作っていると思ってもらえればと思います。例えば、今の世の中、夜中でもコンビニでもお金を引き出せるようになっていますよね。昔だと銀行は大晦日なんか休みだったんですが、何が変わったかというと、ATMという管理システムができたことだと思います。  便利になった分、ずっとコンピュータを動かすわけですから管理の面も重要なんですけどね。我々は新しいものを提供する立場として直近の事例ですと、PITAPAを携帯電話で利用できるシステムなどを作っています。

−ITが次々と社会のインフラを整備してきているのですね。しかし、働く上では技術が伴う分、文系・理系の向き不向きがはっきりするのではないかと学生の観点から想像してしまうのですが、現場では文系は不利なのでしょうか?

 確かに学生の間にプログラムなどを学んでいる人とそうでない人は大きく差が出るとは思いますが、ITはあくまでツールだと考えてください。
 我々のようなシステム構築はお客さんになる企業が抱えている問題を上手く正確を捉えて、それを技術者に伝えることは非常に大切なんです。もし間違えたものを作ってしまうとこれは問題ですよね。
 その面を考えると、理系の人間よりも文系の人間の方が比較的その力はあるように思えます。

−IT業界で働く上で有利な点はなんですか?

例えば、商社から広告業に転職することって難しいですね。しかし、先ほど言ったとおり、ATMなど社会のインフラとしてITは存在していて、金融でも製造業でもすべての業界でITは必要とされているんです。
  就職して、スペシャリストを目指すのもいいですが、世の中の流れが急速な昨今ではどの分野でも活躍できるITのスキルを持っていることは各業界についての 知識を得る必要はありますが、汎用性が効くと思います。まだ、目指す業界を決めかねているのであれば、ITを視野に入れることをお勧めします。

−大企業ではなく、ベンチャー企業で働くメリットはなんですか?

 大手で働いていると、どうしても会社のために働いているという感覚を持ちがちで、リストラというリスクを考えると、スキルを持っていつでも一人立ちできる用意をしなければならないと思います。  
 自分のために働くという考えを持っているべきですね。それは何故かというと、大手株式会社は株主の利益最大化のために存在しているに他ならず、従業員はそのための歯車でしかないからです。

一方、ベンチャー・中小企業は従業員それぞれの会社に対する影響力は大きく、数人の従業員であっても、家族・得意先など、利害関係者はその何十倍もいるんです。それを考えると、独立・スキルアップのためと考えるよりも、会社のためと考えるべきなんです。
 最近の社会人はその考えが逆になってしまっているゆえに大企業も中小企業も上手く会社が回らないんです。今就職を考えている学生さんにはこの考えを持ちながら就職先を選らんで欲しいと思います。

 

−インタビューを終えて

 社長という立場から物事を考えることの大切さについてインタビューを終えてからお話してくださいました。すべての学生・社会人がその意識を持てば日本はもっとよくなるのではないかと感じました。

 増田社長、ありがとうございました。

 



                                                        Interviewed by:  大阪大学 経済学部 吉井辰朗

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